ポール・オースター、『ムーン・パレス』やらエッセイなどちょこちょこ読んでいるけれど、これはまだ手をつけていなかった。
ということで2024年1月読書会分の『ガラスの街』についてざっくりと振り返り。
読書会というか、
もはや僕が読んだ本の感想を書くニュースレターになってしまいつありますが、
次回の『コインロッカー・ベイビーズ』からはちゃんとペースを取り戻したいなと。
あらすじ
「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開――。
新潮社HPより
感想
やっぱりポールオースターは特徴のあるキャラクターを書くのがうまい。
『ムーンパレス』のときも思ったけれど、おそらく実際に会ったことのある人をモデルに作り上げているので、あんなピーター・スティルマンみたいな強烈な人物も、実際に存在しそうな気がするからすごい。
また、実際にあった出来事や歴史上、他の作品のエッセンスをうまく虚構の中で(自分のストーリーの中で)活かすのが巧みだ・・・。
・『ムーンパレス / ポールオースター』にまつわる場所・作品・エトセトラ
今回も聖書やら、ニュルンベルクの奇妙な事件やら、ドン・キホーテやら、いろんなモチーフが登場。
「結局のところ、人が本に求めるのはそれに尽きます― 愉しませてくれること」(P183)
今年中にニューヨーク三部作は読み終えたい。
主人公がスティルマンを尾行しながら歩いたのはおそらくこんな風景だったはず。
音楽プレイリスト(Spotify)
本のテーマに合った曲をチョイスしてプレイリストにまとめるコーナー。
下記プレイリストの最後の3曲が今回追加した音楽になります。
ビリージョエルからLCDサウンドシステムまでNY関連の音楽を追加しました。
Q&A
Q1.『ガラスの街』のタイトルの意味は?
特に小説内での言及はなかったように思えるけれど、
ガラスの迷路のように思わぬ方向へ物語が進んでいくのを表している気がする。
ニューヨークの街も実際ガラス張りの高層ビルが多いし。
Q2. 物語の結末のはどう感じたか?
→意表をつく感じではあるけれど、個人的に嫌いではない。
小説だと「え?」となる人はいるかも?
”映画的”ではある気がする。
「この本もおすすめ」
主人公が謎をつかめないまま右往左往するところとか、
村上春樹の『羊をめぐる冒険』はやっぱり似てるなと。
鼠三部作、NY三部作と重なるところもある気がする。
2月の読書会
2024年2月の読書会は、
村上龍の代表作『コインロッカー・ベイビーズ』 を読んでいきます。
高校の頃読んだ以来の数十年ぶりの再読だけれど、
わりかし鮮明に読書感は残っているので、
それを再体験できるのは楽しみ。
一カ月かけてみんなで読むので、
まだ読んでない方はもちろん、既読の方もお気軽にどうぞ。