『ストーリーテリングの科学 / ウィル・ストー』読書会(前編)
脳と心をひきつける物語の仕組み
どうも、ねじまきです。
2026年3月は『ストーリーテリングの科学 / ウィル・ストー』(府川由美恵 訳)を読んでいます。
前編は、2章(129ページ)までのあれこれを書いていこうかなと。
本の概要
人間はなぜ「物語」を求めるのか?
すぐれた物語はいかに脳を刺激するのか?
脳科学・心理学の知見を生かせば、ストーリーはもっと魅力的に語れる!
イギリスで大人気のライティング講師が解き明かす、共感を生む創作の秘密
人は物語によって他者とつながり、相互に監視し、ときに対立もしてきました。
物語は、小説や映画にかぎらず、新聞からゲーム、歌、夢の中まで、社会のあらゆるところに存在しています。
「われわれを人間たらしめるのは物語である」「物語はわれわれだ」と著者は言います。
では、物語を求める人間、そして人間が求める物語の本質とは、どのようなものなのでしょうか?
本書は、脳科学・心理学から人間/物語の秘密を解き明かしていく、まったく新しいストーリーテリング論です。 (Amazonより)
個人的な感想
いつもの通り、わき道にそれたような感想やポイントを箇条書きで書いていきます。
・物語は人間の生き残りにとって非常に重要なもの
・人には生来のアニミズムが備わっていて、そこから完全に抜け出すことはできない
・「書き出し」「メタファー」など具体的なテクニックの技法が載っていて参考になった。
・『トゥルーマンショー』『日の名残り』『市民ケーン』など有名な映画や文学作品を取り上げて解説していくスタイルが◎
・アリストテレスの三幕構成について、「個人主義のプロパガンダである」と書いていて面白い。”ひとりの勇敢な人間がすべてを変えることができるという考えを発信しているともいえる。”
→ 確かに。世の中そんなうまくいくことばかりじゃないのに。
・東洋的な物語として芥川龍之介の『藪の中』が挙げられていた。
・”理にかなったら思考停止モデル”の解説もわかりやすい。
それを主人公の葛藤に活かす。
『日の名残り』の執事スティーブンスはまさにそれ。
・自分が触れたことのある作品が読み解かれていくのが気持ちよかった。
読んだ方は感想とか教えて頂ければなと。
Music
『I Could Write A Book / Miles Davis』
ジャズの巨匠、マイルス・デイヴィスのスタンダード曲
軽やかで自然に体がノッてしまう心地よいジャズ。
このニュースレターもこの曲聴きながら書きました。
Quotes:
印象に残った文章をいくつか引用。
『スター・ウォーズ』でハン・ソロが、ミレニアム・ファルコン号は「ケッセル・ランを12パーセク足らずで飛んだ」と自慢するとき、観客はそれが役者の意味不明な台詞だと知っているのに、同時に現実らしく感じるという奇妙な体験をする。この台詞が機能するのは、絶対的な具体性や、真実のように聞こえる内容がそこに備わっているからだ
ハードSFはだいたいこれよね。
『プロジェクトヘイルメアリー』の映画がそろそろだけどほんと楽しみ。
詩に力を与えるのは、まさにこうした連想思考だ。優れた詩は、ハープ奏者が弦を奏でるように人間の連想ネットワークに働きかける。詩人は、細心の注意を払い、いくつかのシンプルな言葉を並べることで、神経回路網という形で人間の中に蓄えられている深く埋もれた記憶、感情、喜び、心の傷を優しく撫でる。読み手が詩を読み進むにつれ、こうしたものが光り輝きだす。
詩を読み慣れた人ほど、引き出せるものが多いんだろなぁというのがなんとなくわかる。
どんな作家も、自分の持つ神経モデルの世界を、寸分たがわず読者の心に移植することはできない。むしろ、2つの世界は混じり合う。読者が作品に入り込むことによってのみ、芸術だけがもたらすことのできる、心を揺さぶる共鳴が生まれるのだ。
これもすごく芯をついた文章。
完全に伝わらなくても、その読者だけに見えるものがあり、それが心を揺さぶるという話。
🪶あとがき📜
BookStack史上初の、小説以外の本の読書会でした。
感想かまとめか迷いながらの配信でした。
これから小説を書きたい、という僕みたいな人にはすごく刺さる一冊だったかなと。
今年こそ短篇小説いくつか書く予定です。
先月の『ババヤガの夜』も結局後半の感想を書けなかったですが、
いつかどこかで『Butter』後半と合わせて軽くまとめるつもり。
(ミステリーの感想って地味に書くのが難しいことに最近気づいた)
メインのニュースレター「ねじまき通信」も月末に配信予定。
映画や音楽、厳選ニュースをお届けしますのでお気軽にどうぞ。



