どうも、ねじまきです。
今月も(というか今年も)あと1時間、ということで時間がないので、
エイモス・チュツオーラの『やし酒飲み』を読んだ雑感をざっくりと読んだ感想を。
読書会というか、
もはや僕が読んだ本の感想を書くニュースレターになってしまいつありますが、
来年からはちゃんとペースを取り戻したいなと。
後にも告知しますが、
2024年1月はポール・オースターの『ガラスの街』を読む予定です。
あらすじ
「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」―。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。旅路で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、幻の人質、親指から生まれ出た強力の子…。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高傑作。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784003280119
ちなみに英語タイトルは
「The Palm-Wine Drinkard and My Life in the Bush of Ghosts」。
正直日本語タイトルとはちょっと印象は変わりますね。
「やし酒(パームワイン)」ってどんな感じなんだろう・・・と思って
Youtubeを調べてみるとこんな動画が。
冒頭に「この動画は彼が殺される前に作られた動画です」
と説明が出てきて「いやいやいや・・」となってしまった。
(この動画自体はやし酒に関するものなのでご安心を。)
一度ぐらいは生のヤシの木からとったやし酒、飲んでみたいなぁ。
メキシコとか日本もそうだけど、
ゆうゆうと死者の国に行ったり来たりするのが面白いし、
ナイジェリアもそんな感じなのかと思うとちょっと不思議な感じ。
欧米圏の人が『千と千尋の神隠し』を見るとこんな感じに映るんだろうなぁという不思議な読後感。
『古事記』×『千と千尋』×アフリカの土着感×王道の神話 みたいな物語だったなと。
親指から暴力的な赤ん坊が生まれたり、自分が神であることを途中で思い出したり、
死や恐怖を売り渡したり、ほんとに展開が読めないところが最高だった。
その森林は、とても「食いしん坊」だったので、木の根っこに坐ってから一時間もたたないうちに、坐っていた地面が熱くなりはじめ、とてもじっと坐っておれる 状態ではなく、早急に荷物をまとめて、旅先を急ぐことにした。P65
さて、白い木の内部に入る前に、わたしたちは、戸口の男に、七十ポンドナハシリン グ六ペニーで、「わたしたちの死を売り渡し、同様に、一カ月三ポンドーシリングの 金利で「わたしたちの恐怖を貸与」してしまっていたので、わたしたちはもう、死につ いて心を煩わすこともなく、恐怖心を抱くこともなかったのだった。 P85
音楽プレイリスト(Spotify)
本のテーマに合った曲をチョイスしてプレイリストにまとめるコーナー。
下記プレイリストの最後の4曲が今回追加した音楽になります。
ナイジェリア音楽やアフリカ音楽などを3曲。
ぜひ、読みながら聞いてほしいなと。
Q&A
Q1.アフリカ文学を他にも読んだことがありますか?
→「現代アフリカ文学短編集」ぐらいしか読んだことがなかったので、
やし酒飲みはすごく新鮮な読書体験だった。
Q2.民話系なその土地の色が濃く出た物語は好き?
→かなり好みだった。
来年はコロンビアの作家による有名な『百年の孤独』を読もうとより強く思った。
「この本もおすすめ」
異国情緒あふれる作品、人によって好みが分かれるかもしれないので、
色んな味の短編が収められている
『20世紀ラテンアメリカ短篇選 (岩波文庫)』とか良いかも。
神話ベースな物語はなにを読んでも面白いですよね。
読書会振り返り
年末の時間が取れず、10日ごとに一回配信を全く守れず月末配信になりました・・。
ということで気を取り直して来月の予告を。
ポール・オースターのニューヨーク三部作の1作目である
『ガラスの街』を読む予定です。
まだまだ間に合うので、ぜひ参加してみてください。
10日・20・30日に配信予定です。
「ねじまき通信」も近日中に配信できるかも。
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それでは良いお年を!(紅組おめでとう)
来年もよろしくお願いします。
ねじまき