どうも、ねじまきです。
第1回目のニュースレターでの読書会。
・・・お知らせしていた8章(文庫版 P221まで)の感想をざっくりと。
個人的な感想
・・・あえて話の筋というよりも脇に逸れたような雑感を箇条書きで。
もちろんネタバレありなので、未読の方はご注意を。
・冒頭の数十ページ、ググっとマコンドの風景に取り込まれてしまう妙な巧さがある
・羊歯(シダ)とベゴニアが何度も登場するので、コロンビアにはよっぽどたくさん生えているだなぁと笑
・ドミノは実際にラテンアメリカでよく遊ばれているらしい。
日本人だと「テレビのあれ」「倒すもんじゃないの?」という人が多そうだけれど、
いつか真面目に遊んでみたい。→ https://sekaiyugi.com/old/games/domino-1.html
・ウルスラのスーパーママっぷり。
「ねじまきBBS」で”舞台俳優みたい”、という旨の意見があって笑った。
・匂いに関する描写がどれも一級品で読んでて生々しく、楽しい。
・”不眠の病”の部分がかなり好き。
・結構突然人が死ぬので、最近のドラマのトレンドっぽいところがあり、意外とNetflix版もうまく仕上がるのかも?
ただ、色んなシーンを描く必要があるので 予算が気になるところだけれど・・・。
・日本に関するワード(ex.脚気とか)が入ってくるので、
当時のコロンビアでも影響力はあったのかな?
・女の子エレンディラが出てくるの、中篇を読んでいたのでちょっとおお!ってなった。 (すぐいなくなったけれど笑
・P112あたりから源氏物語っぽくなってくる
・P154 あたりから急に政治色が強くなってくる
・ピエトロ・クレスピとアマランタはなぜ結婚しなかったのか?(なぜ拒否された?)
・わりと早い段階でホセ・アルカディオ・ブエンディアが栗の木に縛られて行動不能になるのは意外だった。(ずっと活躍する主人公ぐらいに思ってた)
・刀狩り令みたいなのはどの国でもあるんだなと。(鍬やすきまで没収)
・度々登場する「魚の金細工」の意味、なんか意味あるのかなと思いきやちゃんと伏線回収されて
・『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は癖の強い住人がたくさん出てきて、もしかすると開発者はちょっと意識しているのかも。
とにかくページをめくるたびに、知らないことばや概念に出会えるのが楽しいし、
思っても見ない方向に話が飛んでいくので、これが面白いなと。
何も知らずに8章で区切ったけれど、ホセ・アルカディオ・ブエンディアの死でちょうど終わったので、区切れとしては良かったかも。
(幽霊としてまだまだ出てくるとは思わなかったけれど。)
音楽プレイリスト(Spotify)
コロンビア音楽のプレイリスト。
意外と聞きやすくて、ラテン好きな人はすぐハマれるかなと。
ダンスのシーンはこれ聴きながら読んでました笑
Quotes:
印象に残った文章の引用をいくつか。
「煮えくり返ってるよ、これ!」 (P34)
初めて氷を触るシーンより。
絶望のあまり半狂乱 になったレベーカは真夜中に起きだして、悲嘆と怒りの涙を流しながら、命が気づかわれるほどの猛烈ないきおいで庭の土を口のなかに押しこんで、柔らかい蚯蚓を噛み ちぎり、奥歯を痛めはしないかと思うような力で蝸牛の殻を噛みくだいた。夜明けまで幅吐がつづいた。(P107)
フィクションなのに本当にありそうに思えてくるから不思議。
土を喰らうシーン全部好き。笑
するとそのひとりが、仕事の邪魔なので、そこらの寝室の壁に塗りこめたことを白状した。壁に耳をあてて何日か聴診のまねごとをやっていると、コトコトという音が聞こえた。壁に穴をあけると、無傷の袋にはいったお骨があった。お骨はその日のうちに、メルキアデスの墓のそばに急いで掘った、 石碑も何もない墓穴に埋められた。(P122)
こんな「・・・ええ?」と思うエピソードがたくさんある小説。
参考になったリンク集
個人的に参考になったリンクやリソースをいくつか貼っておきます。
・誰が誰だかわからなくなった人のための『百年の孤独』人物紹介
*ホセ・アルカディオ・ブエンディア
見分け方/覚え方:特に理由なく「ブエンディア」の苗字まで記載されている場合、基本的に彼。
*アウレリャノ・ブエンディア大佐
見分け方/覚え方:クーデター後の彼を指す場合にはほぼ必ず「大佐」が入る
*レメディオス
大佐の反乱前に出てきたらこのレメディオス、大佐の反乱後は小町娘のレメディオスと区別可能。
「あれ?」となった人におすすめのブログ記事。これからもちょこちょこ見るかも。
実際にこの本が執筆された家に行かれた方のはてなブログ。
このブロガーさんによると2024年12月にNetflix版が配信予定だそうです。
コルタサルの短編はほんとおすすめ。古さも全然感じないし。
『南部高速道路』は昔「ねじまき通信」で紹介してたり。
・筒井康隆、大江健三郎、村上春樹、阿部和重、小川哲……『百年の孤独』が日本文学に与えた絶大なる影響|Real Sound|リアルサウンド ブック
文庫化が注目されるのは、作品自体の評価の高さに加え、日本の文芸への影響が大きかったためでもあるだろう。訳者の鼓直が「日常的な現実性と非日常的な幻想性の混和もしくは共存」と定義する魔術的(マジック)リアリズムの手法をガルシア=マルケスは用いている。それは、アレッホ・カルペンティエルなど他のラテンアメリカ作家にもみられた傾向であり、日本では安部公房や筒井康隆などシュールレアリスムを意識した実験的手法にとり組んでいた作家が、早くから注目していた。
神話性を帯びた場所の創出、実験的手法への関心という点で同じくフォークナーに影響を受け、ガルシア=マルケスに自身との同時代性を見出した作家が、日本にいた。大江健三郎、中上健次である。
「四季のようなこのくりかえしはまさしくヨーロッパ的な歴史把握に対立するものであった」。『百年の孤独』や『悪い時』は読んだはずなんだけど内容をさっぱり覚えてないという人が多いのはこのせいで、覚えないほうが読み方として正しいのだろう。@korimakorima
・『百年の孤独』に挫折しないための(自分のための)備忘録まとめ
どのデザインも良いけど、今回の日本の文庫カバーはかなり良いと思うな。
この細かい仕掛けも良い。
Q&A
個人的に気になる質問をいくつか。
「ねじまきBBS」で回答お待ちしてます。
Q1.8章までで、一番好きな場面や文章は?
Q2. 日本との死生観の違いについてどう思いますか? (幽霊や蘇りなど)
Q3. 『百年の孤独』の影響を受けているのでは?と思う小説以外(映画やゲーム、音楽etc…)の作品はありますか?
・・・ということでそろそろこの辺で。
次回は20日に配信予定。
※文庫版ページは P475まで読んで頂ければと。
ほかに感想・気になった点、読書の進捗なども、
掲示板「ねじまきBBS」やコメントでお待ちしてます!
8月は、『密やかな結晶 / 小川洋子』を課題本にする予定です。
ねじまき通信もそろそろ配信予定。ガルシア=マルケスについても触れてたり。