どうも、ねじまきです。
第1回目のニュースレターでの読書会。
・・・お知らせしていた2章(文庫版 P129まで)の感想をざっくりと。
個人的な感想
・・・あえて話の筋というよりも脇に逸れたような雑感を箇条書きで。
もちろんネタバレありなので、未読の方はご注意を。
・『百年の孤独』の読書会回でも書いたけれど、ドミノは実際にラテンアメリカでよく遊ばれているらしい。
日本人だと「テレビのあれ」「倒すもんじゃないの?」という人が多そうだけど、
いつか真面目にルール通り遊んでみたい。
・1章の冒頭はバイオハザードで古びた洋館に入っていくような雰囲気で好き。
・百年の孤独以上に改行が少なく、読み応えがある。
・政治に関しての言及が多いけれど、読みにくさは感じないのがすごい。
・匂いに関する描写がどれも一級品で読んでて生々しく、楽しい。
・コメディと過剰なドタバタの間に、鋭い政治批判が潜んでいたりして、「虚構新聞」とか好きな人は『族長の秋』もハマる気がする。
・残酷なシーンはわりかし(というかかなり)多く、
ユーモアまじりでバンバン進めていくのマジック・リアリズムの強さが「百年の孤独」より増してる気がする。
(筒井康隆がわざわざあとがき文を寄せた意味が理解できた・・・)
・よくこんな設定を考えられるなぁと百回ぐらい感心させられる。
・1章も2章も、政府の中枢がどこに存在するのかなど誰もわかってないという混乱ぶり、当時のコロンビアを揶揄しているのかな。
・2章の男色のエピソード、日本以外でも将軍や権力者が男とあれこれする・・・というのは珍しくないのかも、と思ったり。
・ヘルニア?睾丸が?と色々「?」が浮かぶ設定だけど、あまり考えず読むことにした。笑
Music
『リンジューマーチ / ユニコーン』
「臨終マーチ」の文字通り、天国から自分の家で行われている(自分の)お葬式の様子を歌うという一曲。
上から見てるぞ
僕の家に集まってるのどかな日曜日憧れの佐久間が来てくれた
僕の為に大きな瞳に浮光る やっぱり美人想像したのとちょっと違うけど
どうやら嘘じゃないみたい参ったな逝ったな
奥田民生の歌詞はほんとユニークですごいのよね。
1章の影武者が死んで、
みんなが大統領(自分)が死んだと勘違いしている様子を見ているシーンで、
この曲がふと思い浮かんだので。笑
本文だとこんな感じ。
台所道具、豪勢な宴会で使われる高価なグラス、ナイフ、 フォークなどでにぎやかな音を作りだしながら、パパは死んじゃった、みんなもう自由なんだ、パンザーイ、と表で叫んでいる子供たちを、その目で見た。政権についた 「その日から四六時中、あらゆる場所に貼られていた公認の肖像や、暦に刷られた石版画などを焼くためにアルマス広場で焚かれている火を、その目で見た。P49より
Quotes:
印象に残った文章の引用をいくつか。
赤道直下の流れの岸のガーデニアと腐ったイモリの死体が発する甘ずっぱい香りに包まれ、自動ピアノのワルツの航跡を残して走る外輪船。
それは、ポンコツの車めいた有史以前のドラゴンの群れや、人魚が上がって子を産むというめでたい島や、消えた都市の廃墟に訪れるたそがれなどを巧みに避けながら進んで、やがて、炎天下にわびしい集落が点在する土地に到着した。(P29)
こういう何気ない情景描写も好き。
…このさい、真実に目を向けられたらいかがです、
ほんとに心のなかで思ってるこ (とを閣下に言った人間は、一人もいないんですよ、みんなが、閣下が聞きたがっているなと思うことを口にする、
閣下の前ではぺこぺこし、後ろではアカンベエをしている、
むしろ感謝してもらってもいいくらいです、閣下にいちばん同情しているのは、このわたしなんですよ、閣下ににている、この世でたった一人の人間ですからね、
世間の連中がなんてうわさしているか、正直に言いましょうか…(P42)
影武者にここまで言われるのはツラい。
終わりというもののないこの歌にみんなが、オウムまでが、新しい歌詞をつけ足して情報部をこけにした。情報部は、この歌の逮捕にやっきになっていたのだ。戦時装備の軍のパトロールは裏門を蹴やぶって中庭に乱入、政府転覆をたくらむオウムを杭に縛りつけて銃殺したり、大量のインコを生きたまま犬に与えたりした。戒厳令を布いて怪しからぬ歌の根絶をはかり、世間周知の事実を隠蔽しようとした。(P119)
こういうのが笑えなくなっている現代・・・。
参考になったリンク集
個人的に参考になったリンクやリソースをいくつか貼っておきます。
(時間がないので、以前のリンクもう一度貼っておきます。)
実際に「百年の孤独」が執筆された家に行かれた方のはてなブログ。。
コルタサルの短編はほんとおすすめ。古さも全然感じないし。
『南部高速道路』は昔「ねじまき通信」で紹介してたり。
Q&A
個人的に気になる質問をいくつか。
「ねじまきBBS」で回答お待ちしてます。
Q1. 2章までで、一番好きな場面や文章は?
Q2. 『百年の孤独』と比較して、どういう変化が感じられた?
Q3. この本が好きな人におすすめの別の作者の本は?
・・・ということでそろそろこの辺で。
次回は20日に配信予定。
※文庫版ページは P241 まで読んで頂ければと。
ほかに感想・気になった点、読書の進捗なども、
掲示板「ねじまきBBS」やコメントでお待ちしてます!