どうも、ねじまきです。
第1回目のニュースレターでの読書会をお届けします。
・・・お知らせしていた10章(P188まで)の感想をざっくりと。
高校生の時読んだ以来の数十年振りの再読だったけれど、やっぱりすごい作品だなと。
村上龍はやっぱり不快な描写に関しては超一級の作家。
冒頭から、嗅覚・聴覚・触覚を刺激するような濃ゆい文章ばかり。
当時、母親が、生んだ嬰児の処置に困ってコインロッカーに置き去りにする事件を題材に書いた小説で、想像力の暴走ってまさにこのこと。
これほど「ガツン」とくる小説は、なかなかない。
・『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』対談集を読んだ
感想を箇条書きで。(※軽くネタバレあります)
・冒頭から、キクとハシ二人の対比が巧い
・血の巡り、鬱屈した感情、べとべとした汗、ドラッグ、暴力。
『限りなく透明に近いブルー』が好きな人はこの作品も気に入るはず。
・当時からポリアモリー的な恋愛を描いていてさすが。(P71~)
・ゲイ的描写もなんでそんな詳しいのか、というぐらいの生々しさ。
・映画のオマージュがけっこうあるように感じた。『未知との遭遇』とか『エスケープ・フロム・L.A.』とか。
・取材力がすごい。細かな設定がきっちり作り込まれている。
・大御所プロデューサー「ミスター・D」はおそらくジャニー喜多川を意識して描いているだろうなと。
・アネモネが狂ったタクシーの運転手を目の前にワニの餌用の肉が腐らないか気にしているところとかはなぜかすごく印象深く覚えていた。
・キクの陸上競技のシーンは爽快。この跳躍力も村上龍のすごさ。
最新作の『ユーチューバー』も読んでみたくなったな。
音楽プレイリスト(Spotify)
作品に登場したデビッド・ボウイやリー・コニッツ、サロメの3曲を
プレイリストに追加しておきました。
しずかなインターネット
最近話題の「しずかなインターネット」毎日書いてます。
など 書き散らしのエッセイをちょこちょこと。
よければ読んでみてください。
Quotes:
印象に残った文章の引用をいくつか。
何のために人間は道具を作り出してきたかわかるか? 石を積み上げてきたかわかるか? 壊すためだ、破壊の衝動がものを作らせる、壊すのは選ばれた奴だ、お前なんかそうだぞキク、権利がある、壊したくなったら呪文だ、ダチュラ、 片っぱしから人を殺したくなったら、ダチュラだ。
よく見ると血に混じってラーメンの切れ端がシャツにべっ とりと貼り付いている。額に青い血管が浮いてヌルヌルした震える手でハンドルが今にも外れそうだ。
走っているのではなく、運ばれているようだった。筋肉が皮膚のすぐ下で弾けるのがわかった。包んでいた棘の殻が砕け散って、キクの筋肉突然目覚めた、全身を巡っている熱はどこにも逃げて行かずに、逆 に足先から次々に新しく込み上げてきた。走りながらキクは大声をあげた。そのまま空に舞い上がれそうだった。
大嫌いなんだよ運動選手が大嫌いなんだ、単純で、頭の中には脳みそじゃなく て汗しか詰まってないんだ、ファイトファイトファイト、ハッハッハッなんて息切らせて走りやがって、大嫌いだ。
うーん、どの文章を読んでも一発で村上龍とわかるそれだ・・・。
最後に告知をひとつ。
個人サイト「マイクロブログでねじを巻け」をつくりました。
好きなものを集めた「トップ10リスト」が見ものだったり?
ここでしか読めないエッセイも書いていく予定なので、ブクマして頂ければと。
あとは、誰でも書き込める無料BBSも設置してるので、本の話などもお気軽に。
次回は20日に配信予定。
25章 (P406) まで読んで頂ければと。
読書進捗などのコメントもお待ちしてます。
・2月読書会の概要はこちらより:
月1配信のニュースレターもやってます。村上龍ネタも。